剣道における竹刀の意義(位置付け)
「剣道は、剣の理法の修錬による人間形成の道である。」
これは、全日本剣道連盟が打ち立てた『剣道の理念』です。この中には、幾つかの深い内容が含まれていますが、その一つに「剣の理法」があります。
現在、剣道は竹刀を用います。この竹刀を、“「剣=刀」として使いなさい。”としているのです。「刀」は武士の魂です。それと同じように、「竹刀」は剣道家の魂です。私たち剣道の修業を行っている者は、この竹刀を常に手入れをし、大事に扱っています。言うならば、神聖なものです。投げたり、跨いだりするようなことは絶対にしません。
最近、スポーツの分野で行われている“体罰”或いは教育の場における“いじめ”等が問題になっています。ゆゆしいことです。その中で、剣道を志している私たちの心を痛めているのが、時として、体罰に竹刀が使われていることです。慙愧に堪えません。
体罰やいじめの無い世の中にしていかなければなりません。そのために、スポーツ界、教育の場等での取組みがなされていますが、その際、上記の剣道における竹刀の意義をも念頭に入れて頂きたいというのが、私たちの思いです。
平成25年5月
品川区剣道連盟